2019年度 海外芸術・教育研修活動日誌(イタリア)
海外芸術・教育研修 現地報告【その1】
海外教育・芸術研修、1日目~3日目のローマでの研修報告です。
ハードなスケジュールの事前指導や保育実習を乗り越え、楽しみと少しの不安をかかえながら出発式を迎えました。
団長の笹川さんの決意表明で関西国際空港を出発。パリのシャルルドゴール空港では乗り継ぎ時間が僅か1時間。みんなで全力疾走しました。搭乗ゲートに1分前に到着したものの、係員の「Wait! Wait! Wait! Too late...」山本先生が必死に英語で交渉して下さいましたが、結局飛行機は飛び立った後。仕方なくパリで1泊することとなりました。
こんなハプニングもありましたが、パリで1泊できたこともあり 良い経験ができました。
2日目は朝5時に起床し、パリから飛行機に乗りちょうど2時間でローマに到着。そのままローマ日本人学校へ直行しました。
パフォーマンス交流として、子どもたちの歌の発表を鑑賞。私たちはダンスと合唱「RAIN」を披露するなど素敵な音楽を通して交流を深めました。緊張も解け距離も縮まり、その後のグループごとに工夫を凝らしたレクリエーションは、とても有意義なものとなりました。
ここでは、その場の状況や子どもたちの反応を見て臨機応変に対応することの大切さ、難しさを学びました。
3日目は最初にヴァチカン博物館。壁や天井がたくさんの絵画で埋め尽くされており、騙し絵により立体に見える工夫を目にすることができました。
システィーナ礼拝堂では、事前指導で学んだ絵画を実際に鑑賞しました。想像していたよりも遥かに大きくとても印象に残るものとなりました。
バスに戻り移動し、真実の口で写真を撮った後、レストランに向かい生クリームを使用していない本場のカルボナーラを堪能しました。
午後はコロッセオ研修。約1940年前に造られたにも関わらず、今まで形を残し、たくさんの観光客が訪れる偉大な遺跡だと改めて感じました。
最後に、トレビの泉を訪れました。投げるコインの枚数により叶う願いが異なると知り、1人ひとり願いを込めてコインを泉に投げ入れました。
夕食はトマトソースのパスタとイタリアの郷土料理であるサルティン・ボッカを食べました。日本ではなかなか食べる機会のない仔牛の肉を使用した料理はとても新鮮でした。
ハプニングの中始まった研修ですが、毎日が刺激的でとてもとても充実したスタートとなりました。
今日はサン・ミジャーノ研修のあとアグリツーリズモに向かいます。
みんな元気です!!
海外芸術・教育研修 現地報告【その2】
4日目はローマからアグリ・ツーリズモ(農業・食育・調理)実習体験にバスでトスカーナへ移動。
途中、中世の塔の街サン・ジミニャーノにも立ち寄り、塔に登って美しいトスカーナの景色を眺めたり、街を散策したり、
世界一美味しいジェラートを味わったりとサン・ジミニャーノの街を心ゆくまで満喫しました。
歴史の街ローマとはまた違った落ち着いた田舎の街は、とても素敵なところでした。
その後一部屋一部屋違う内装の石造りのゲストハウスで、ゆったりと過ごすことができました。
5日目は、朝から麦わら帽子をかぶりバスケットを持ち、ぶどう狩りと野菜の収穫を体験させて頂きました。
ぶどうやワインについても、オーナーが詳しく説明して下さいました。
収穫の後は、マンマに教えて頂きながらパスタ作りに挑戦。また、収穫したぶどうはタルトに、野菜はトマトソースにしました。普段できない貴重な体験をさせて頂きました。
午後は古都シエナを訪問した後、アグリに戻って夕食にはトスカーナの名物料理の一つ、キアニーナ牛のステーキをいただきました。
夕食後、沢山のおもてなしをして下さったアグリの皆さんに感謝の気持ちを込めて、合唱とダンスのパフォーマンスを披露しました。皆さんとても感動して下さり、音楽やダンスを通して交流することができました。
今日は、アグリからフィレンツェに移動し、ルネサンス芸術を堪能します。
海外芸術・教育研修 現地報告【その3】
今日はアグリ・ツーリズモからフィレンツェへ移動しました。
まず、フィレンツェを一望できるミケランジェロ広場へ。セピア色の美しい街並みを目の前にして、ルネサンス時代にタイムスリップした気分でした。
その後、アッカデミア美術館へ移動し有名なミケランジェロ作「ダビデ像」を間近で鑑賞。想像していたよりも、はるかに大きく迫力あるダビデに圧倒されました。また、ダビデの後ろ姿や、筋肉、血管までも見ることができました。事前指導では、ダビデについてプレゼンした班もあったので、ミケランジェロの彫刻についてより深く学ぶことができました。
午後はウフィツィ美術館へ移動。有名なボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」を目の前で鑑賞しました。
その他にも「春」や、ダビンチの「受胎告知」、ミケランジェロの「聖家族」など、写真や教科書でしか見たことのなかった絵画を鑑賞。仕切りの柵が無かったので至近距離まで近づき、繊細な絵のタッチまでも見ることができました。
またマリア様の描かれ方が時代や描く人によって違いがあり、どの作品も興味深く見ることができました。
今日は美しいフィレンツェの街で、2つの美術館へ行き素晴らしい芸術に触れ、豊かな感性を養う良い機会となりました。
明日は、レッジョ・エミリアでレッジョ・エミリア・アプローチについて学びます!
海外芸術・教育研修 現地報告【その4】
今朝はフィレンツェのホテルでの朝食を堪能してから、レッジョ・エミリアにあるローリス・マラグッツィ・センターへ向かいました。
午前は、本学の2017年国際教育フォーラムに講演者としてお越し頂いたペタゴジスタのパオラ先生による講義でした。
世界でもっとも素晴らしい幼児教育の一つであるレッジョ・エミリア・アプローチについての講義を受けました。
レッジョ・エミリア・アプローチを創り上げるまでの歴史や、実際に行われている教育現場での子どもたちの様子を映像によってわかりやすく教えて頂きました。
昼食後、アトリエを見学させて頂きました。
光や色などの様々な素材に触れることで、教育の場では子どもだけではなく教育者自身も楽しみながら共に学ぶことの大切さを改めて感じました。
夕方からは、アトリエリスタのステファノ先生とマッシモ先生、そしてパオラ先生がレッジョ・エミリア市内を案内して下さいました。
古代ローマ時代の歴史を感じられる、落ち着いた雰囲気のある街並みでした。
短い間でしたが、今日一日を通して日本とは違った教育の在り方を学ぶことができ、将来の保育への希望が膨らみました。
明日は、レッジョ・エミリアからヴェネツィアに移動し、夜はプッチーニ作曲オペラ「トスカ」を鑑賞します。
本場のオペラを間近に鑑賞できるので今から楽しみです。
海外芸術・教育研修 現地報告【その5】
今日から3日間は、水の都ヴェネツィアでの研修です。
レッジョ・エミリアからバスで移動したあと水上タクシーに乗り換え、ホテルに向かいました。これまで訪れた研修先とは異なった雰囲気で、水路が入り組む美しい街並みに魅了されました。
午後はサンマルコ広場やリアルト橋を見学。街中にはこの2つの場所を示す看板が至る所に設置されており、島内を散策する際の目印になるとガイドさんに教えて頂きました。
ホテルに戻りドレスアップをして、夜はフェニーチェ歌劇場で、オペラ「トスカ」を鑑賞。歌劇場内はシャンデリアや黄金に輝く装飾が施されており、煌びやかな内装に目を奪われました。舞台のセットや、マイクを通さずとも客席に響き渡るオペラ歌手の声量は圧巻でした。
2日目は朝からヴェネツィア市内研修。
まずは政庁として利用されてきた歴史をもつ、ドゥカーレ宮殿を見学。
天井一面が金箔で覆われた黄金の階段や、世界一大きな油絵など華やかな場所から牢獄まで見ることができました。美しさを感じつつも少し切ない気持ちにさせられました。
次に見学したのはヴェネツィアのシンボルとも言える建物、サンマルコ寺院です。
この寺院は壁面はもちろんのこと、天井、床にいたるまで全てがモザイク画です。金色を基調にしたモザイク画は信じられないほど隅々まで精巧に作られた絵画でした。国家の偉大さを誇示するように壮麗な建物に圧倒された1日となりました。
3日日の午前中は自主研修。
各班ごとにヴェネツィアの美しい街を散策しました。
夕方からはゴンドラ・クルーズに参加。何とアコーディオンと歌い手さんもいらっしゃいました。ヴェネツィアの街並みや海と共に、素敵な音楽に浸かり更にヴェネツィアの街がさらに美しく見えました。私たちも歌い手さんと一緒に歌ったりして、とても楽しいひと時を過ごす事ができました。
夜はサン・ヴィダル教会でINTERPRETI VENEZIANI合奏団のヴィバルディの四季やバッハのシャコンヌを鑑賞しました。
8人が弦楽器だけで演奏しているとは思えないほどの迫力、1つ1つの音の繊細さを感じることができました。
明日からはミラノに移動し、イタリアの教育について学びを深めます。
海外芸術・教育研修 現地報告【その6】
海外教育・芸術研修11日目と12日目の研修報告です。
11日目はヴェネツィアからミラノに移動しました。夕食はミラノカトリック大学の学生さんの案内で、学生さんがいつも通っている地元のお店に連れて行って頂きました。
夕食後はミラノの街を散策。初めて地下鉄に乗るなど貴重な体験ができ、親睦を深める夕食会となりました。
12日目はカトリック大学を訪問。まず初めに、初等教育学科長のリヴォルテッラ教授が学内を案内して下さいました。学内はとても広く、様々な歴史的建造物があり、芸術的な作品も多く飾られていました。また、図書館では古文書を見せて頂きました。四千年もの前のメソポタミア時代の粘土板に書かれた文字も鑑賞。世界史で習った古代の遺物を間近にし、悠久の歴史を感じることができました。
その後、カトリック大学の学生さんと一緒に学生食堂で昼食を摂りました。カトリック大学の学生になったような気分を味わうことができました。
午後からは、日本の伝統的な子どもを祝う行事や紙芝居などについて、班ごとにプレゼンテーションを行いました。一緒に折り紙を折ったり、ゲームをしたり、またイタリアの子どもの遊びも教えて頂き、異文化交流を深めることができました。
その後、カトリック大学さんが今年度初めて実施された「日本文化・教育研修」について、研修報告のプレゼンをして下さいました。日本の教育について詳細に分析されており、私たちも改めて日本の教育課題について考える有意義な場となりました。
最後に、訪問を受け入れて頂いたお礼の気持ちを込めて合唱を披露しました。
朝の9時半から午後6時まで、丸一日カトリック大学の学生さんと交流を深めることができました。本当にかけがえのない時間を過ごすことができました。
明日は、モンテッソーリ教育認可幼小一貫教育校での研修です。最後まで気を引き締めて研修に臨みます。
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海外芸術・教育研修 現地報告【その7】
13日目の研修報告です。
13日目は、モンテッソーリ教育認可幼小一貫教育校で、世界でも教育者に評価されているモンテッソーリ教育について研修しました。
午前中は校長先生であるディピエッロ先生からモンテッソーリ教育に対する熱い想いや、子どもが主体となって活動し学ぶことの大切さを教えていただきました。また子どもの個性を大切にされておられました。教師が子ども一人一人の活動の意味を理解して、子どもが自主的に活動できるようサポートされていました。
その後、実際に子どもたちの様子や、校内を見学させていただきました。教室内だけではなく、廊下にも教材が置かれており、そのほとんどが手作りだという事に驚きました。また、教材においては子どもの興味に合わせて常に更新していく必要があるということを学びました。子どもたちは自分の興味のある教材を手に取り、集中して学びを深めていました。
午後には、校庭で遊んでいる子どもと触れ合う時間がありました。先ほどまで集中していた子どもとはまた違った、子どもらしい活発な姿を見ることができました。
今日の研修では、日本とは また違った教育のあり方を学ぶことができました。その中でも、子どもが自発的に学びを深められるよう、教師が環境を整え、サポートしていくことの大切さを強く感じました。
明日はいよいよ最終日です。マリアコンソラトリーチェ小学校に行き、日本の文化である「ブンブンごま」をイタリア語で紹介します!
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